インコを挿し餌から育てる メリット・デメリット
挿し餌から育てるメリット
生後間もなく、挿し餌の段階の雛からインコを育てるメリットは、
なんといっても懐きやすさです。
飼い主の手から餌を与えることで雛は飼い主を親のように認識するため、
雛との距離が縮まりやすいのです。
このため、手乗りにしたい場合は挿し餌を必要とする幼い雛の段階でお迎えしたほうが
飼い主になつきやすく、手乗りにもなりやすいです。
私も挿し餌が必要な段階の子や一人餌になった子のいずれもお迎えした経験がありますが
その実体験から考えてもやはり挿し餌から育てた子とそうでない子では、
飼い主との距離感が違いました。
そして懐きやすくなる以外のメリットがもう一つ。
生まれて間もない雛であるこの頃は、鳥さんの一生のうちでもやっぱり貴重な時間。
そして、一心に餌を求めてアピールしてくるその姿はとてもとっても愛らしいです♪
挿し餌から育てるデメリット
一方で、デメリットとしては、一日数回に渡る挿し餌を定期的に与える必要があるため、
お家を留守にする時間がある飼い主さんについては
家族や同居人などと協力し合い鳥さんへの餌やりの時間を確保しなくてはいけません。
我が家では1日3回の挿し餌が必要な雛をお迎えした際、
朝はパートナーが雛に挿し餌をやり、
パートナーが出勤していった後の昼と夜の挿し餌は在宅で仕事をしている私が担当していました。
在宅勤務とはいえ作業に追われて餌やりの時間が少しずれこんでしまうこともしばしば。
なるべく時間通りにあげたいのはやまやまですが、なかなか難しいものです。
こういった点から、日中にお家が留守になるご家庭では挿し餌が必要な雛の飼育は難しいため、
一人餌になってからの若鳥さんをお迎えするのが飼い主さんにとっても鳥さんにとっても、
ベストな選択と言えるでしょう。
ちなみに、一人餌になった子をお迎えしたとしても、その子も飼い主に懐かないわけではありません。
焦らずにゆっくり信頼関係を築いていくことでインコちゃんにも飼い主さんの愛情は伝わり
十分懐いてくれますし、手乗りにすることも決して不可能じゃありません。
うちの一人餌になってからお迎えした子は、手や肩に長居こそしてくれませんが、
手を差し出せば素直に乗ってくれますし、たまに気まぐれを起こして自分から私の肩に来てくれることもあり、その瞬間私はもうメロメロです…♪♪
挿し餌はどんなものをあげればいい?
粟玉とパウダーフード どっちをあげたらいいの?
昔は雛の挿し餌といえば、ほぼ粟玉一択でした。
当時学生だった私も、熱々のお湯に粟玉をふやかし
シリンジに温めた粟玉を詰め、雛の嘴に入れて押し出して与えていたのを覚えています。
今はそんな粟玉と並んでパウダーフード(フォーミュラフード)が売られています。
粟玉は、皮をむいた粟に卵黄などの栄養素が高い成分を絡ませて乾燥させたもので
栄養価が高い成分は入っているようですが、シードという性質上その栄養にはどうしても偏りがあります。
このことから、鳥専門病院の医師もパウダーフードを推奨していることが多いようです。
雛のさし餌にはフォーミュラフードが推奨されます。小型鳥だと、アワをさし餌している方が少なくありません。アワですと必須アミノ酸や必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルが不足します。フォーミュラで育てた鳥は明らかに体格が大きくなります。雛の時の栄養は生涯影響しますので注意しましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 3, 2020
私が最近お迎えした鳥さんはペットショップからお迎えしたセキセイインコは粟玉で育てられており
ブリーダーさんからお迎えしたサザナミインコは、いずれもパウダーフードで育てられていました。
※2羽はそれぞれ別のブリーダーさんからお譲りいただいた子達です。
(一般的にサザナミはシード食よりペレット食を推奨されているようなので、それを考慮されてるのかもしれません)
パウダーフードは粟玉よりも割高とは言われますが
これから一緒に過ごしていくインコちゃんの健康のためにも
「粟玉しか食べない!」と言うような好き嫌いがないのであれば
なるべくパウダーフードで育ててあげる方がいいかもしれません。
ちなみに粟玉で育てられて一人餌になってからお迎えした我が家のセキセイインコは、
何度か主食をペレットに移行しようと試みましたが、1歳過ぎた今もペレットには一切口をつけてくれません。
つついたかなァと思ってよく見ていると、くわえて放り投げてるんです(笑)よほど嫌なのね…。
4種類くらい色々なペレットを試しましたが、全滅でした。なので今はシードとネクトンを与えて食べさせています。(青菜も遊ぶばかりで食べてくれません)
成鳥になったらペレットを食べさせたい!という飼い主さんは
挿し餌もパウダーフードの方がペレット順応しやすいように思います。
挿し餌卒業が近くなったころには、お湯で溶いたパウダーフードに砕いたペレットを混ぜて
ふやかして食べさせるのが、ペレットへの移行を促すきっかけにもなりやすいです。
挿し餌の方法
挿し餌の方法にはどんなやり方がある?
・スプーンで与える場合は、先細の雛の嘴の形に合うような形状のものを使用すると与えやすいです。
我が家の2羽のサザナミインコは↓のひな給餌セットで育てました。
・シリンジで与える
私はこの注射器タイプの経験はなくて慣れないと少し怖くて使えなかったですが、食べた量の把握がしやすくて、慣れれば口の周りを汚すことなく与えることもできそうです。
挿し餌卒業はいつ頃?
挿し餌期間ってどのくらい?
インコの挿し餌期間は、鳥種によっても差があるようですが、
一般的にセキセイインコの挿し餌卒業は生後1か月~2か月程度です。
甘えっ子さんなどはもっとかかる場合もあるようですが、
理想は雛換羽が始まるとされる生後3か月になる前に卒業できるのが望ましいとされています。
一方、サザナミインコもセキセイインコと同じく、1~2か月くらいで卒業が多いようです。
うちの子は2か月ちょっとで卒業できましたが、私の母が実家で飼っているサザナミインコは3か月半くらいは挿し餌を欲しがって卒業に苦労したようでした。
我が家のかかりつけの動物病院に行った際に先生から伺ったお話だと、
生後半年になるまで挿し餌を食べていたオカメインコちゃんを診たことがあるそうです。
6か月ともなるともうオカメちゃんも間違いなく成鳥なはずですが…(笑)
パパママは大変だったろうななんて思いながらも、ちょっと微笑ましく感じました(笑)
ちなみに、一般的なオカメインコの挿し餌期間は生後2か月~3か月くらいのようです。
インコちゃんにも性格はそれぞれあります。
さっと独り立ちしたい子もいれば、できるだけ長く甘えていたい子も。
飼い主さんがインコちゃんの様子をよく観察して、スムーズな挿し餌卒業ができるといいですね。
挿し餌卒業のタイミングは?
一人餌への切り替え練習を開始するのは、翼をバタバタと羽ばたかせて飛ぶ練習をし始め、
挿し餌をそこまでがっついてほしがらなくなる頃と言われています。
雛の入ったプラケースに餌を少し撒いておき、啄む練習をさせます。
自分で水分補給が可能なように水入れなども用意して入れておいてあげると、
一人餌の練習がしやすくなります。
早く挿し餌を卒業させなきゃ!なんて焦って強引に挿し餌の回数を減らしたりするのは注意が必要です。
インコちゃんが一人でご飯を食べられていないようなら栄養不足になってしまいますので、
目安になるように毎朝雛餌を与える前に必ず体重を測って前日との差分を観察し、
減りすぎていないか確認しながらパウダーフードの量を減らしてみたり、
回数を減らして様子を見つつ切り替えを進めましょう。